渓流釣り入門!お手軽スタートガイド

うっとうしい梅雨の季節ですが、晴れの日はぱーっと川遊びなんて最高に楽しいですね。
山奥の清流で川遊びをしているとき、魚の影を見つけると釣ってみたい!と思うのは狩猟本能からくる欲求。

川、特に渓流釣りはどうやって始めるのか、服装や道具の渓流釣り初心者向け入門スタートガイドを紹介します。

何が釣れる?渓流の釣り

海と違って渓流で釣れる魚の種類はけっこう少ないです。
川遊びで見かける魚はオイカワやハヤなどのコイ科のものが多く、ヤマメなどのマス類は人の近づかない上流に生息しています。
毒を持った魚はいないので基本的にすべて食べられますが、コイ科は小骨が多く泥臭さを感じるのであまり好まれません。


渓流の代表魚、ヤマメ。
とても綺麗な模様が特徴。神奈川以東の東日本に生息。ルアーやエサで釣れる。美味。


カワムツ。関西の魚だけど最近は関東でも見かけます。エサは何でも食べます。魚肉ソーセージでもよく釣れます。甘露煮などで食べられるものの小骨が多い。


出展:wikipediaより
雑魚の代表魚クチボソ。カワムツとよく似ていますが口が上を向いています。この魚がいるポイントでエサ釣りをしているとエサがいくらあっても足りないほどエサを取られます。エサは何でも食べます。もちろん魚肉ソーセージも。


出展:wikipediaより
オイカワ。初夏のころには綺麗な婚姻色が現れる。ルアーでもけっこう釣れます。


出展:wikipediaより
ウグイ。こちらもルアーでよく釣れます。


出展:wikipediaより
イワナ。渓流の王とも。
非常に山奥の源流域に生息しており、なかなかお目にかかれません。


ニジマス。虹色は側面にうっすら現れる程度で、銀色の魚体に黒い点があるのが特徴。大きくなると模様が薄くなっていきます。
日本の河川ではほぼ繁殖できないためほとんどが放流魚。


出展:wikipediaより
アマゴ。神奈川より西に生息。僕は関西の生まれなのでこちらのほうが馴染み深いです。
ヤマメと非常によく似ていますが、赤い斑点があるのが特徴。塩焼きが美味。

海釣りより安い!渓流釣りの道具

僕は海も川もどっちの釣りもやりますが、渓流釣りはほんと安い!
海に比べて仕掛けはシンプルだしエサも安いし服装もTシャツ短パンで行けるほど安いです。
特に竿やリールは海だと青天井に高額なものが多いですが渓流は格安でそこそこの道具が揃います。また、海だと一回船に乗るとそれだけで5千円以上が飛んで行きますが、渓流は遊漁料(後述)が1日せいぜい2千円程度。年券ならその年のシーズン中ずっと有効でしかも6千円程度。僕は年間30回くらい渓流釣りに行くので、一回当たり200円ですよ!

渓流釣りの竿選び

まずは竿ですね。ロッドと呼びます。トラウトロッドとも。
釣り方がルアー(疑似餌を利用した釣り)かエサ釣りによってロッドが違います。またフライやテンカラといった釣り方によっても道具が違いますが、フライやテンカラはちょっと難易度が上がるので今回は取り上げません。

ルアー釣り用のロッド

ルアー釣りはルアーと言う小さな金属製の疑似餌を泳がせて魚を誘う釣り方です。
ミノーという魚の形をした樹脂や木製のルアーもありますが、どちらも非常に軽量です。
ルアーをうまくキャスト(投げる)するにはルアーの重さとライン(糸)の太さに適合したロッドが必要になります。
柔らかくしなやかなロッドで、長さは5~6フィートが最適。長いロッドほど遠くへキャストできますが、頭上や左右に木や草がある渓流では長いロッドが邪魔になることも。
慣れると1グラムのルアーを30メートルも飛ばせるようになるので遠く離れた近寄れないポイントを狙うことができます。

持ち運びに優れたパックロッド(伸縮する振り出し竿)がおすすめ。
渓流釣りのルアーは1グラム前後と非常に軽いので、ロッドのしなりでキャストできるウルトラライト(UL)タイプが必須になります。
こちらのロッドは最低重量が1グラム以下からキャストできますが少し硬めで僕はあまり使っていません。好みの問題もありますが。

こちらは僕がよく使っているロッド。

ロッドケースです。渓流釣り用のロッドは非常に細く、特に先端部は簡単に折れてしまいます。畳んで持ち歩くときはハードケースで保護しましょう。

1万円以下の安いロッドはガイド(糸通しのリング)がよく外れます。
接着が弱いだけなので、釣行の際には修理できるように瞬間接着剤を持って行きましょう。

エサ釣りのロッド

エサ釣りはルアー釣りと違って、「竿の長さ+糸の長さ」より遠くのポイントを狙うことができません。従って、遠くのポイントも狙えるようにとにかく長い竿が有利になります。
ただ、あまりにも長いと障害物の多い渓流では取り回しが難しくなるので、一般的には5m前後が最適となります。また、長い竿は重量が重くなり、一日持っていると手が非常に疲れてきます。長くて軽量な竿ほど高価です。

こちらは4.3mのロッド。

こちらは6.2m。重量は200グラムと軽いように思われがちですが、伸ばすと200グラム以上の重さが片手一本にかかることになります。

渓流釣りのリール選び

ルアー釣りの場合はリールと呼ばれるライン(糸)を繰り出す糸巻き装置が必要になります。リールにはスピニングやベイトなどといった種類がありますが、渓流釣りではスピニングリール一択です。
リールには番数があり、それによってリールの大きさが変わってきます。渓流釣りでは巻き付けるラインの太さが非常に細いので、リールの番数はとても小さいものが適しています。
一般的には1000~1500番のリールが最適です。
エサ釣りはリールを使用しません。

こちらは僕が愛用しているエアノス1000。10年以上使っていますがノントラブルです。

こちらは予備に持ち歩いているカーディナル。替えスプール(糸巻き部分)が付いているので状況に応じてラインをすぐに変えることができて便利ですが、ラインとの相性が厳しくて、ちょっと合わないラインだとすぐにライントラブルが生じます。

渓流釣りのライン(糸)選び

渓流釣りで使用するライン(糸)は非常に細いです。
髪の毛のような細さです。
ルアー釣りで0.6号程度、エサ釣りだと0.2号ということも。
ラインには太さを表す号数と、強度を表すlb(ポンド)という2つの単位があります。
これが非常にややこしいんですが、同じ0.6号の太さなのに2lbだったり3lbだったりということがあります。これはラインそのものの丈夫さによって、細くても丈夫なラインがあるからです。

とりあえずは、ルアー釣りは0.8号(3lb程度)、エサ釣りは0.4号で選ぶといいでしょう。エサ釣り用のラインは号数表記のみの場合が多いです。ルアーのほうが太いのは、キャストのときにかなりの負荷がかかるのでそれで切れてしまわないようにです。エサ釣りは仕掛けが軽いため風に流されやすくなるので空気抵抗をできるだけ少なくするために細いラインが必要になります。
ルアー釣りにおいても、ラインが細いほど空気抵抗が減るのでキャストの精度に大きく影響します。0.4号と0.8号のラインで1グラム程度のルアーをキャストすると、飛距離が10m以上変わることも。当然、太いラインは風の影響も強く受けます。
できるだけ細く、けど切れない強度で、自分の使いやすいラインを見つけるのが重要です。
僕は0.6号で2lbのラインをメインに使用しています。

また、ラインには素材の種類がいくつかあります。
一般的にはナイロン、フロロカーボンの2種類がよく使われ、PEという非常に丈夫なラインもあります。PEは細くても丈夫なので0.2号なんてのもありますが、スプール部で糸絡みすることがよくあります。ロッドもPEに対応していないと頻繁にライントラブルが起こります。
初心者にはナイロンかフロロがおすすめですね。僕はフロロが気に入っています。
スプールに巻くときは60~80mくらい巻きましょう。巻きすぎるとライントラブルになります。

ナイロンライン。ピンクに着色されているので視認性がいい。

こちらはフロロカーボン。

こちらはエサ釣り用渓流ライン。

渓流釣りのルアー(エサ)選び


ルアー釣りはスプーンと言う金属の小さなルアーやミノーという魚を模したルアーなどを使用します。フック(針)はバーブレスといってカエシの無いものを使いましょう。15センチ以下の小さな魚がつれてしまった場合、渓流釣りでは遊漁規則で放流することが義務付けられています(大きさは地域によって変わります)。その際、針にカエシと呼ばれる引っ掛かりが付いているとなかなか外れなくて魚にダメージを与えてしまい死なせてしまうことも。
購入したルアーにカエシがあった場合はラジオペンチなどで潰してしまいましょう。

1.5グラムとちょうどいい重さ。カラフルなルアーは視認性がいいので初心者にオススメです。

1.5グラムと2.5グラムのセット。

重いルアーは向かい風でも遠くまでキャストできるという利点はありますが、沈むのが非常に速いため、水深の浅い渓流だと根がかりしやすくなります。また、ゆっくり巻くと沈むのが速くなり根がかりすることがよくあります。
軽いルアーは遠くまでキャストできないというデメリットが痛いものの、水深の浅い渓流でも根がかりしづらくゆっくり巻いてルアーにアクションをつけることもできます。
1グラムを切るような超軽量ルアーは、キャストに技術が必要なうえに水の流れに負けて水面に浮き上がりやすくなります。
キャストするポイントの遠さ、深さ、水の流れ、魚の活性度などを考慮してポイントを攻略するのが渓流釣りの面白さでもあります。

エサ釣りの場合は、季節によってエサの種類を変えると効果があることも。
一般的には、解禁明けの3~5月まではイクラがよく釣れます。
初夏になるとブドウムシなどの昆虫系のエサに反応がよくなり、オニチョロ、キンパク、クロカワ虫などでよく釣れます。
ブドウムシやイクラは釣具屋で購入できますが、それ以外の川虫は現地で調達になります。

ソフトルアー ぶどう虫 ワーム 10匹セット リアルワーム 疑似餌
こちらはブドウムシのワーム(疑似餌)。本物もこれと見た目はほぼ同じですが、本物はワームとは比べ物にならないほど釣れます。


こちらはヒラタムシ。小さいので2匹掛けにしたりします。

渓流釣りの仕掛け

ルアー釣りはラインとルアーを直接結びます。
ラインにPEを使う場合はリーダーを使ってもいいでしょう。PEラインやリーダーの組み合わせなどは初心者向けではないのでここでは省略します。

エサ釣りには大まかにミャク釣りウキ釣りの二種類があります。


竿は4.5m~6.5m程度。
ラインは道糸(竿側)が0.5~0.8号、ハリス(針側)が0.4~0.6号。
仕掛けのラインは道糸(竿側)とハリス(針側)を結んで作ります。あわせたラインの長さが竿より50センチほど短く作ります。これは人によって扱いやすい好みもあります。
目印はラインを見失わないようにするセルロイドの目印。
ガン玉はオモリのこと。風の有無や水の流れの速さによって替えることもあります。3号~2B程度の重さが一般的。
針はヤマメ針5号前後。
これらは一般的な例です。

仕掛けは出来合いのものを使うと現地で作らなくてもいいので楽です。風の強いときなど非常に細い糸を結ぶのは難しいので。
出来合いの仕掛けはかなり長めなので竿に合わせた長さに調整しましょう。

ウキ釣りは目印の変わりにウキを使います。が、渓流ではあまりウキ釣りは使われません。流れの緩い下流域でクチボソやハヤなどを狙う際に使われます。


ウキは大きさや浮力がいろいろあります。浮力によってガン玉を調整する必要があります。

こちらも出来合いのものを選ぶといいでしょう。

渓流釣りの装備


夏場はシャツやハーフパンツで手軽に楽しめます。
日焼けしたり草で怪我をしないように長袖のシャツやスポーツタイツがオススメです。

ラッシュガードという水中用のタイツ。僕は夏場はこれにハーフパンツという軽装です。

こちらはゲーターと呼ばれる防護用の膝下タイツ。渓流では岩や下草で足を怪我しないようにこういったガードをすると安心です。

こちらも同じくゲーター。

こちらはウェーディングシューズ。水中で履く靴です。このモデルは本来は水中用ではありませんが、滑り止めがフェルト素材でスパイクが付いていて渓流を歩くのに適しているので使用しています。

こちらは沢登り用のウェーディングシューズ。

シャツはこちらの接触冷感素材のシャツがおすすめ。着るとひんやりしていて水はけもいいです。このうえに適当なTシャツを着ています。

服装は全体的に黒っぽくて目立たない服が適しています。
渓流の魚はものすごく目が良いため、人の姿を見るとすぐ岩の下に隠れてしまってヘタすると半日は出てきません。できるだけ目立たない服装で、腰を落としてポイント(釣り場所)に近寄りましょう。

解禁明けの3月~5月は渓流の水は非常に冷たく特に3月は10度もありません。タイツで川に入るなんて不可能なのでこういったウェーダーを使います。

フィッシングベスト。ポケットがいっぱいあって釣りの小物をたくさん収納できます。

リュックには食料やサバイバル用品を入れていますが、ルアーなどつりの小物はこちらのウエストポーチに入れています。すぐに取り出せるので便利。

ルアーケース。ルアーウォレットとも呼びます。ここにルアーを収納します。

まずは管理釣り場から

初心者のうちはいきなり自然渓流へ行ってもボウズを食らうことが多々あります。ボウズとはまったく釣れなかったことを言います。
僕も初心者の友人を渓流に連れて行ったときは、3回目の釣行でやっと1匹釣れたというほどでした。


管理釣り場と呼ばれるようするに渓流の釣堀といった施設があります。
お金を払って遊ぶ施設ですが、3千円~5千円ほどの費用はかかるものの、初心者でも簡単に釣れます。エサ釣りの道具ならレンタルで用意しているので手ぶらで出かけても釣りが楽しめて、その場で塩焼きにして食べられる用意がされていることがほとんど。


秋川国際マス釣り場
http://akigawagyokyo.or.jp/fish/
東京都あきる野市の秋川水系のひとつ、養沢にある管理釣り場。都内からのアクセスが近く休日には多くの家族連れでにぎわう。施設は広くのびのびと遊べる。つかみ取りなどもあって小さな子供でも楽しめる。

料金:3300円(一日)
道具持込:OK
レンタル:エサ釣り竿あり
ルアー釣り:OK
営業時間:8時~16時
東京都あきる野市養沢1311
電話:042-596-0568
交通:JR五日市線、武蔵五日市駅よりバス養沢線にて『秋川国際マス釣場』下車
車:あきる野ICより20分
駐車場:200台


FISH UP 秋川湖
https://www.fishup.tokyo/
東京都あきる野市にある、地下水を利用した湖の釣堀。
ルアー、フライ専用でエサ釣りは不可。秋川が禁漁の間の営業となる。
50センチを超える大物が釣れることも。

料金:3100円~(3時間~)
道具持込:OK
レンタル:ルアー装備一式
ルアー釣り:OK
東京都あきる野市上代継600
電話:042-558-5861
交通:JR五日市線秋川駅からバスで約10分
駐車場:あり(無料)

自然渓流は入漁券(遊漁券)が必要

国内の北海道を除くほとんどの河川が内水面漁業規則により、釣りをするには入漁券という許可証が必要になります。これを購入せずに釣りをするのは密漁であり、罰金刑の対象になります。
国内の河川は自治体から許可を受けた漁協が管理をしています。
漁協はこの権利を受けるために資金を用意し管理権を自治体から借り受けています。
河川が荒れないように岩を積んだり草を刈ったりといった管理のほか、養殖や放流も行って水産資源を守っています。これらの活動に必要となる資金を、釣り人の遊漁料や養殖業で賄っています。

現場では漁協の監視員が巡回していることも多いので、必ず入漁券を購入のうえで川に入りましょう。一般的に現場徴収は前もって購入するよりも高くなります。
遊漁券は、河川の名前と「遊漁券」で検索すれば漁協のホームページが見つかるので、そこで遊漁券の販売所を調べましょう。河川最寄のコンビニなどでも取り扱っています。

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みっちー
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