もし自分がカフェを開業できるのなら、どんなカップで出して、お店の中にどんな絵を飾って、フードのケーキはどうしようか、色々な人が集まる場になるといいなあ、と妄想。地方再生、空き店舗にカフェを導入!という事例を見かけると、沢山の人たちが集っていて嬉しいなと思う事があります。
しかし、カフェは多産多死の業界。私のお気に入りのケーキが美味しい紅茶専門カフェが突然閉店、ビーガンフード専門カフェのご飯がとても身体にいい!と思った矢先に閉店のお知らせを受けたり・・・。どちらも素敵な女性がオーナーのお店。夢を託したけど現実は甘くなかった、と閉店へ舵をきったオーナーの気持ちを考えると、心が痛いです。
茨城県のサザコーヒーをご存知ですか。
そんな時、茨城県の勝田市(水戸、ひたちなか)にあるカフェ「サザコーヒー」を本で知りました。
地方の喫茶店が、コーヒーの美味しさを極めるため、生豆の買い付けに海外の農園に赴き、数年後に自家農園を開き、高級豆のオークションにも名を連ねるという、ちょっと珍しい、40年も続くカフェがあるという。東京駅からスーパーひたちにのって行ってみました。
カフェの哲学が詰まっているようなお店です。物販はコーヒーだけでなく、地元笠間焼の器や焼き菓子。店内のショーケースには、美味しそうなケーキ。フードはパンのセットでスープ付き。暖炉があり、プライベートガーデンから差し込む日差し、南米やアフリカで調達されたのであろう、民芸のお面やタペストリーの装飾、長居したくなる落ち着いた店内。
コーヒーは「パナマ・ゲイシャ」お勧めドリップコーヒー。うん、薫り高いまろやかな味。ケーキは地元のイチゴバインペリーが乗ったフルーツロール。やばい、スポンジの卵が濃厚で、これは美味しい。添加物の無い、懐かしい感じの太っ腹なケーキ。どうしよう、近所にこのカフェがあったら~通いたくなる。いや、また電車に乗って行くかなと。
カフェ営業に必要な「基本機能」+「付加価値」
20年続く人気カフェづくりの本 ―茨城・勝田の名店「サザコーヒー」に学ぶ
カフェとして基本的機能を備えるため、収支計画を行わないと破産してしまいます。FLRコスト比率(Food:フード、Labor(レイバー)、Rent(レント))が一つの指標となっており、比率70~65%とする努力が必要だそうです。つまり食材費、人件費、家賃という事ですが、例えば自宅でカフェ経営であれば家賃はゼロ、家族経営だと人件費も調整が可能になります。
そしてプラス付加価値が大切。カフェはレストランではない、何かコンセプトがあり自由で個性的な魅力に溢れているイメージがある。付加価値を何にするかが、カフェ開業の一番楽しい作業でしょうね。
本気度=こだわりを継続したい
お客の立場とすれば、コーヒーそのものに対する美味しさは大事。本気で美味しさを追求し、こだわるモチベーションが維持されている店は、見ていて気持ちが良い。逆にそうでなければ、継続して通う気持ちがいつか失せてしまうかな。プロ意識とでも言うのだろうか、店の亭主の生き様まで、見透かせる気がします。
FLRコスト率と”こだわり”のバランスと・・・
冒頭に書いた、紅茶専門カフェやビーガンフードカフェは、フードの素材へのこだわりや、サービス故の人件費が増え、収支が合わなくて閉店したのではと想像します。両者のバランスが大切で、なるべく初期投資や、ランニングコストを常に抑える工夫を常に考える必要がある。
また、女性オーナーの店の場合、あくまで想像ですが・・・
・言い寄られる男性客にずーっと居座られたり
・おしゃべりがうるさい団体客の影響で他のお客さんに迷惑が掛かったり
客のあしらいに困る事があるのでは?お客様=神様、とばかりに良い顔しても、他の客には迷惑がかかり、売上にも影響が出てしまいます。他にも考えられるのは、
・従業員との関係が上手く行かなかった
結局、人間関係か・・・普通の仕事場も同じだと思いますが、目を背けず、どう対処すれば良いのか、現実に向き合ってオーナーとして判断すべき場面も出てくるでしょう。
FLRコスト率と付加価値、この2つの基本に立ち戻りながら、試行錯誤、経験しながらの判断は続くのだと思います。
ukai
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