宝くじの確率を調べたら絶望が見えた

2017年大晦日、年末ジャンボ宝くじ 第731回 全国自治宝くじ 当選番号の発表がありましたね。
みなさん買いましたか?当たりましたか?

某大物ユーチューバーが1000万円分購入して話題になってましたね。
1000万円分も買えば1等とは行かなくても2等くらい当たるんじゃないかって気がしてきます。
果たしてどうなんでしょうか。

当選確率がどんなものかと調べてみたら、夢を見るどころか悪夢が見えたのでちょっと書いてみたいと思います。

当選確率はどれくらいなのか?

宝くじはユニット単位で販売され、1ユニットは2000万枚、その中に1等が1枚入っています。2017年の年末ジャンボ宝くじでは25ユニット販売されました。
1ユニット内の当選本数は以下のとおりとなります。

1等(7億円):1本(確率 2000万分の1
組違い(30万円):199本(確率 10万502分の1
前後賞(1億5千万円):2本(確率 1000万分の1
2等(1000万円):20本(確率 100万分の1
3等(100万円):200本(確率 10万分の1
4等(10万円):14,000本(確率 1428分の1
5等(1万円):20,000本(確率 1000分の1
6等(3千円):200,000本(確率 100分の1
7等(3百円):2,000,000本(確率 10分の1

こんな感じでした。
僕は自分のリア運が平均を下回っているのを今までの人生でつくづく思い知らされているので、宝くじを購入したことはありませんが、この数字を見て、「低すぎる」と感じました。

高額当選を100万円以上とするなら、100万円以上が当選する確率は89686分の1

数字がでかすぎてピンと来ないので他のもので例えてみる

そもそも普通の感覚で把握できる数字はどれくらいでしょうか。
人によってぜんぜん違うと思いますが、200、300程度じゃないかなって思います。
飴玉を200個、300個をざっと見て見積もれるかどうかって感じです。これが500、1000個になると、もう把握し切れなくなると思います。3000個とか5000個って見積もっちゃう人が少なからず出てくるはず。

2000万分の1という数字が大きすぎますね。見当もつきません。
たとえば、お米1キログラムが何粒あるかご存知ですか?
だいたい5万粒あります。2キロ入りの袋なら10万粒ってことですね。
スーパーで2キロ入りの米袋を200袋買ってきて、それを超でかい箱に入れて、一粒だけ赤く塗った米粒を入れて、目をつぶってそれを引き当てるというアホみたいな神業です。
もちろん、何度チャレンジしてもいいです。鷲づかみしてもいいです。個人差が激しいですが一掴み1000粒いかない程度です。ただし、その一掴み、30万円です
100万円以上の確率でさえ、2キロ入りの米袋に1粒強入っている程度。

運がどうとかじゃない、奇跡すら生ぬるい感じがしてくる。

1000万円分購入して1億円以上の当選確率は?

1億円以上の当選券は1ユニットに3本あります。
ということは、確率は2000万分の3ですね。
1000万円分のくじを購入すると、本数は33333本です。
2000万分の3×33333本=0.0049
つまり、0.5%くらいってことですね。

絶望的すぎる

冒頭のユーチューバーは結局100万円の高額当選1本を当てていました。
1000万円で100万円を当てる確率は33.3%なので、彼はけっこう運が良かったといえます。

少しでも当選する確率を上げる買い方はある

完全に運任せですが、確率をちょっとだけ上げる買い方があります。
まずバラ買い
10億なんて欲張らず、1億以上当たればいいというのであれば断然バラ買いです。
宝くじは10枚単位で販売されます。連番だと当選くじが10枚セットたった1つの中に固まってしまう可能性が80%もある(1等の番号の1の桁が0や9じゃないかぎり、10枚セットの中に1等前後賞が集中する)ので、1ユニット内での実質当選率が低下します。バラ買いで10枚セットの中に当たりくじが固まる可能性は天文学的な数字になるのでまずありえないでしょう。
つまりバラ買いなら連番で買うより3倍近い確率ということに(上記で出ていた当選確率になるだけですが)。
そして、たくさん売り上げている売り場で買う
1ユニット分売り上げるような売り場には、必ず当選くじが存在しているということです。これが、100分の1ユニットしか売りさばけない売り場だと、そもそもその売り場には当選くじがない可能性があります。
とはいえ、母数がでかすぎるので焼け石に水ではありますが。

もっとやばいくじがある

宝くじよりもさらにぶっ飛んでやばいくじがあります。

totoBIGです

コンピューターがランダムで発券した試合結果が、実際の試合結果と合致すれば当選、最大6億円のチャンス!というスポーツくじですね。

確率を見てみましょう。
対象は14試合で試合結果は勝敗のほかに引き分けがあるので3とおり、組み合わせはぜんぶで3の14乗、4782969の組み合わせがあります。478万分の1ってことですね。
宝くじの1等2000万分の1に比べるとずいぶん確率が高いように思えます。

これが罠です。

コンピューターがランダムで発券するので、すべての組み合わせが発券されるわけではありません。たまたま、当たりの組み合わせが出なかった結果、1等無しのキャリーオーバーということになります。

2017年は全部で50回開催されました。
そのうち17回がキャリーオーバー。
つまり、34%の確率で1等の存在しないギャンブルでした。
「次回は当たりくじ出ないので6億は当たりません」って言われたら買うやついませんよね。
「次回は66%の確率で1等が出るかもしれません」という不確かなものに、毎回多いときで400万口も購入されているんですね。

母数が減らないという泥沼

ジャンボ宝くじは総枚数が決まっているので、買えば買うほど当選確率が上がり、全体の母数も減っていきます。母数はすさまじい数ですが当たりくじは必ず発行されているので、買い占める財力があれば必ず当選できます。
これに比べてtotoBIGは、1口目の購入も1000口目の購入も、その抽選においてはそれぞれ同じ確率になります。しかも当たりの組み合わせが発券されていない可能性が3割以上もあります。発券枚数に限界がないので青天井になり、買い占めることができません。
もう少し少ない数字で例えると、1%のランダムくじを100回引いた場合、100回の通算でようやく期待値が63%になります。1回目の抽選は1%だし、100回目も母数が減っていないので1%です。母数が減っていれば100回目は100%なんですが。

ぬぐえない疑惑

第909回において、前日に購入した5口分が、次の日に購入した5口分とまったく同じ組み合わせになるという事象がありました。ネット界隈で話題になったネタです。

これがどれくらいの確率かっていうと、
1/2,503,160,000,000,000,000,000,000,000,000,000
だそうです。天文学的レベルさえ超えていて計算できなかったので自分では計算していません。

「totoBIG」不正抽選疑惑を解説した漫画がすごくわかりやすいと話題に!

ランダムで試合結果を予想する「BIG」で5口分の予想が完全一致 「不具合か、不正操作か」……臆測広がる

この宇宙で起こりうる事象の確率を軽く超越していて、例えに出せるものが見当たりません。
目視できるレベルの物質と物質が衝突した際に、量子力学的トンネル効果ですり抜ける可能性のほうが高いかもしれません。この宇宙が生まれてから今までの時間を費やしてもまだ起こっていない事象といわれるほどですが。

運営サイドはこのとんでもない奇跡を「起こりうる偶然」と公表しました。
実際こういう奇跡が起こった背景には、シードの条件が少ない、シードが更新されなかった、などが考えられます。
コンピューターは人間のように適当な数を思いつくことができません。すべて計算によって理論的に数値を導き出します。つまりランダムと言いつつ、ある値を元に計算によって結果を出力しています。
この「ある値」というのを「シード」と呼びます。
シードによく用いられるのは「時間」です。刻一刻と変化する時間を元に計算すれば、毎回異なる結果が出力されると予想できます。
このシードの値が、なんらかの手違いで同一になってしまったとしか思えませんね。

不正疑惑を払しょくするには、最低限、発券されたすべての組み合わせを公式サイトで毎回公表することだと思います。そうすれば、重複や偏りを検証する人が少なからず現れるでしょう。
けどそれを公開するともしかしたらシードを解析されかねない事態になるので、絶対に公開しないでしょうね。

そんなわけで、

僕はこれからの人生においても宝くじを買うことはないと思います

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みっちー
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趣味のアウトドアやITに関わる世迷いごとを書き綴ってます。

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