Dr.ベスト 元大学の就職部長が見た、就職/転職のコツを教えます!

<就職/転職のコツ>

― あなたの意思や能力をフル発揮できる仕事をゲットしよう ―

日本の人口減少/少子高齢化時代においては、一人ひとりは極めて貴重な人材(人財)であり、その意思と能力をいかにフル発揮できる仕事に就き、その活動を通して最大限の成果が得られるような働く仕組みを準備・提供していくかが喫緊の課題であるといえます。

言い換えると、人口減少/少子高齢化時代おいて最も重要なことは、数少ない人材の殆ど全員が自分の意思や能力にマッチした仕事に就き、その意思と能力がフルに発揮されるような状態が実現できることです。

そのためには、一人ひとりが“就職/転職のコツ”を知っておくことが重要なカギになります。その“就職/転職のコツ”の一部をご紹介させていただきます。ぜひお役に立てますように願うと共にご要望があれば続きを掲載させて頂きたいと思います。みな様のご意見を頂戴したいと願っております。

就職/転職にあたって

昔の就職は永久就職(終身雇用)が殆どでしたが、最近は新卒の就職者の約3割が3年内に離職し、転職したり、フリーな働き方に変わったりしているのが現実です。また人材の多面的活用の視点から副業(マルチキャリア)も公認されようとしています。この就職や転職を通して各人が自分の意思や適性、能力を再確認し、その意思や適性、能力に合致した仕事を見出し、就業することにより成長し、それを積み重ねることにより、各人材のキャリアが形成され、向上していくのです。これからはマルチキャリアの時代になります。

しかしながら、その就職や転職の現実においては、「何度面接を受けても内定がもらえない」、「他の人は既に内定をもらっているのに」など焦りや失望に陥ることが必ずあると思いますが、その時こそ下記の「就職/転職のステップ」に立ち帰って、冷静沈着に1つ1つのステップを諦めずに進むことが大事です。

どんなスポーツも試合の前には長い時間をかけて練習に練習を重ねています。その練習がこの「就職/転職のステップ」に相当します。「就職/転職のステップ」という練習を重ねことにより「就職決定」、「適職ゲット」というメダルを獲得されうことを願っています。

就職/転職のステップ

就職/転職のステップは大きく次の5つのステップからなりたち、順序よくまた着実に進むことが大変重要です。

ステップ1  自己分析:就職/転職の意思を自分の言葉で明確にします。就職/転職活動を成功に導く鍵を握るのが自己分析です。

ステップ2  企業研究:就職/転職活動に対しての覚悟を決め、企業研究で自分の目指すべき方向を明確にします。

ステップ3  OB/OG訪問:OB・OG訪問は社会人との会話練習の場であり質問は明確・簡潔にし、面接に備えましょう。

ステップ4  エントリー:企業への具体的な志望の意思表示であり幅広い業種にエントリーしベストマッチ企業を探しましょう。

ステップ5  選考試験:企業が選考すると同時に自分が最終的な意思確認を行うのが選考試験です。

ステップ1  自分を知ろう 自己分析

― 自分を信じて行動しよう! その自分はどういうキャラでどんなパワーを持っているのかを知っておこう ―

人口減少/少子高齢化時代おいて最も重要なことは、数少ない人材(人財)の殆ど全員が自分の意思や能力にマッチした仕事に就き、その意思と能力がフルに発揮されるような状態が実現できることです。

 そのためには、一人ひとりが“就職/転職のコツ”を知っておくことが重要なカギになります。その“就職/転職のコツ”をご紹介していますが、今回は「就職/転職ステップ」の第1ステップ「自己分析」について説明致します。

難しく考えなくて結構です。オリンピックのメダリストも「自分を信じて競技しました」と言っていますが、その自分を知ることです。

「自己分析」とは「自分を知る」作業であり、就職/転職活動という短い期間に簡単にできるものではありません。それはむしろ人間の一生の課題ですらあります。「就職/転職活動における自己分析」とは、そんな大きな課題を短期間にやろうということではなく、就職/転職にあたって、「どの方向へ進むのか」という、自分自身の意志を確認する作業を意味しているのです。

・「今まで何をやってきたのか
・「この先どんなことをやっていきたいのか

を明確に伝えられるように、自分なりの言葉で再構築することなのです。そうすることによって、志望業種も絞り込まれてくるし、面接に臨んだときに、自分のアピールすべきポイントも見えてきます。そしてさらに社会に出てから自分の力を十分に発揮するためにも、この段階での自己分析は必要不可欠なのです。就職/転職活動の成功は自己分析によって決まると心得ることが先ず第一のポイントです。
では、どうすれば自己分析ができるかを具体的に見ていくことにしましょう。

自己分析法 その1「書き出してみる」

まず、一番の基本は考えたことを書き出してみるというやり方です。ものを書くという行為は、考えをまとめる上で最も適しています。ぼんやりと考えていたことも、一つ一つ適切な言葉を選びながら書き出してみると、少しずつ具体的なかたちになってくるものです。さらに、書き出したものを見ながら考えていくうちに、記憶や思考が刺激され、意外な発見をすることも多々あります。

「今までどんなことを行い、身に付けてきたか」
「自分はどんな仕事に向いていると思うか」
「あなたが仕事をすることで社会に何ができるのか」など

難しくてもとにかく書き出してみることが大事です。この作業を続けていくうちに、同じ質問に対して少しずつ深い部分で答えられるようになっていくものです。ただし、この場合、分析するのも、されるのも自分なので、強引にポジティブな自分になりきったり、ネガティブな泥沼状態に陥るなどの感情に流されず、自分を客観視しバランスよく考えをまとめていくことが重要です。

自己分析法 その2「他人と話をする」

友人と話をしていて、思わぬ評価を受けたことがあるという人も多いのではないかと思います。人と話すことは、こうした自分の客観的評価を聞ける点に大きな意義があるのです。外から眺めることのできない自分自身を、友人や先輩、親や親戚など周囲の人に評価してもらうことによって、「自分が思っている自分」と「他人が思っている自分」のズレが見えてくるものです。それによって、「あなたが想像している仕事」と「実際の仕事」、「あなたが自分に向いていると考えている仕事」や「あなたがしたい仕事」と「実際に向いている仕事」などを客観的に認識する大きな手がかりをつかめるはずです。ときには、けっこう痛いところをつかれたりするかもしれませんが、あくまでも冷静に受けとめることを心掛けるようにしましょう。感情的になったり、自己嫌悪に陥ったりすることが目的ではなく、人の話を通して自分を見つめ直すための作業であることを忘れてはなりません。

自己分析法 その3「就職/転職サイトやメールを活用する」

今や就職/転職活動の必需品とも言える就職サイトやSNSを利用するのも1つの方法です。就職/転職をテーマに同じ立場の人たちと意見交換をしてみましょう。就職/転職というテーマについて考える者同志が率直に意見交換を行えば、1人であれこれ悩むより多くのことが見えてくるものです。自分自身について的確に表現できる人。自分の向き不向きの基準がはっきりしている人。志望業界について冷静に分析を行っている人。そうした多くの人と出会うことによって、いろいろな考え方があることが分かり、新たな自分が見えてくることがあります。ネット上で全国の人たちと新しい人間関係を築くことで、あなたの未来の可能性はさらに広がっていくことになるかも知れません。ただ最近、悪用目的の就職/転職サイトの可能性もあるので、信頼のおける大手サイトを使用することをお奨めします。

自己分析法 その4 「自己分析評価ダイヤモンドで見える化する」

協調性、積極性、社交性、発想性(クリエィブ性)、忍耐性(ストレス耐性)、勤勉性(努力型)等々の性格や特性を「評価ダイヤモンド」(下図)にして、自分の長所(特徴)、短所(欠点)などを「見える化」するのも一つの方法です。
自分の長所(特徴)を生かせることが、長続きする就業(生涯の仕事ゲット)を可能にするものといえましょう。

ただ、これにはかなり時間がかかりますので、この自己分析で頓挫することのないように、ある段階でまで進んでみて、少し休んでまた自己分析を行うというように柔軟に対応するようにしてください。

ステップ2 相手(業界/企業等)を知ろう

“彼を知り己を知れば百選殆(危)うからず”(孫子)

人口減少/少子高齢化時代おいて最も重要なことは、数少ない人材(人財)の殆ど全員が自分の意思や能力にマッチした仕事に就き、その意思と能力がフルに発揮されるような状態が実現できることです。
そのためには、一人ひとりが“就職/転職のコツ”を知っておくことが重要なカギになります。 その“就職/転職のコツ”をご紹介していますが、今回は「就職/転職ステップ」の第2ステップ「業界/企業研究」について説明致します。
昔から“彼を知り己を知れば百選殆(危)うからず”(孫子)ということわざがありますが、それを行うことです。

なぜ業界/企業研究するのか?
業界研究や企業研究を行なう目的は、自分がどういう仕事をしたいのか、そのやりたい仕事ができるのはどういう業界・企業なのかを調べることで、自分の目指すべき方向を明確にしていくためです。
といっても、さほど難しいことではなく、周りを見回せば、新聞、経済誌、業界の解説書、企業から送られてくる資料やホームページなど、企業や業界研究のための、溢れんばかりの情報がまわりにはあります。これだけ膨大な情報があれば、業界像や企業像を描くことも可能です。
しかし、そうやって自分でつくりあげたイメージを過信してしまってはいけないのです。それは実体ではないからで、企業研究の最大の目的は、その成果ではなく過程にあるのです。言わば企業研究は、社会へ出る「覚悟を決める」ための作業なのです。その覚悟が、OB&OG訪問や面接への準備、対策につながっていくのです。いつまでも学生気分が残っていたり、覚悟が決まらず揺れていると、それは何らかの形で就職活動中に必ず表れ、自分を窮地に追い込むことになりかねません。企業研究は相手を知るためだけでなく、あなた自身の覚悟を決め、具体的行動を起こすために行うものでもあります。

方法論その1 「日常的調査」

毎日の生活の中を見回してみると、新聞や雑誌をはじめ、使っている製品や商品などさまざまな情報が溢れています。そうした中でピンときたものがあれば、今のうちから書き留めたり、記事等をスクラップしておくようにしましょう。そうすれば、自分の志向がどっちを向いているのかが自然と見えてくるはずです。これは「自己分析」としても大いに役に立ち、自分の興味のままに、半ば軽い気持で継続して行なう方が、楽しみながらできるし、身にもつくものです。楽しみながらやれば、さらに興味を広げていくこともできます。就職活動が忙しくなってから付け焼き刃的に企業研究するのではなく、自分の志望業界を中心に、大いなる興味をもって研究することが大切です。

方法論その2 「情報調査」

業界や企業に関する情報も、業界紙や業界本などをはじめ、企業が発する情報(会社案内、ホームページ)など意外とたくさんあります。こうした情報の中から、必要と思われる情報をピックアップしていくようにしましょう。企業に関する情報で最も重要度の高いのが、企業セミナーや会社説明会の日程やその申込方法。こうした情報は、就職関係のホームページなどで入手できます。
また、人事やOB&OGとのメール交換を上手に利用することで、さまざまな情報を手に入れることも可能です。情報社会といわれる現代において、そうした情報を入手することは難しいことではありません。
しかし、大事なのは情報の質を判断することであって、情報を入手するために情報武装することではありません。たくさん情報に触れ、それらを取捨選択することによって、判断する眼を養うことが目的であって、情報を手に入れるという行為が目的ではないことを肝に銘じておきましょう。

方法論その3 「実態調査」

企業の実態は、なかなか見えにくいものです。特に、ここ数年のように世の中の変化が激しい中では、なおのことです。新聞やテレビニュースをはじめ、インターネットの就職サイトの会社情報を定期的にチェックして、更新情報などに目を配ったりするなど、常に新しい情報に注目するように心がけましょう。
その他、学校の友達や就職サイトの電子掲示板(BBS)などで、情報交換するのも1つの方法です。学生同士のメール交換での情報はリアルタイムで、OB&OG訪問や面接の状況、企業の人の印象までを網羅していることさえあります。その良否はともかく、ある意味では、本当の企業の姿を垣間見られる情報と言えるかも知れません。しかし、大切なのは、その情報の中から、自分なりの考えや覚悟をみつけることであり、いわば、企業研究は、「世間がいうところの幸せな就職/転職」に翻弄されることなく「自分にとっての幸せな就職/転職」とは何かをしっかり見極める作業でもあります。

業界/企業研究の参考となる一例:日経バリューサーチ

日経バリューサーチ
「日経Value Search」は、企業や業界の分析に必要で豊富なコンテンツに加え、分析者の感覚に合う約542の業種分類を切り口に、様々な分析機能や便利なレポーティング機能を備えた企業・業界分析サービスです。
学生さんには少し難しいかもしれないが下記の特徴があります。

「日経ValueSearch」の特徴

1.日経テレコン×日経NEEDS×独自コンテンツ
日経Value Searchは、企業・財務情報、経済・業界統計、日経ニュース・記事など、企業・業界分析のための豊富なコンテンツを提供し、定量データと定性データを組み合わせて企業・業界を立体的、俯瞰的に把握できます。事例や経済動向の解説記事、業界分析コメントなど、日経ならではのコンテンツでさまざまな角度からの分析が可能になっています。

2.分析を容易にする詳細な業種分類
NEEDS業種分類では、事業内容や売上構成に基づき542もの業種に分類することで、同業他社比較、業界比較など多面的なデータ表示や分析をサポートし、業界内のポジショニングや強み・弱みが一目瞭然です。
また企業の多角化経営を考慮し、1社に対し複数の業種コードを付与しており、競合他社比較や案件発掘の際に、より広範で正確・詳細な検索やスクリーニングが行えます。分類は決算の発表後や、主力事業の大きな変化時などに見直しを行うので、分類が陳腐化することはありません。

3.強力なスクリーニング機能
業種、所在地、上場場部など通常のスクリーニング項目に加え、制度条件や複数決算期を跨ぐ複雑な条件によるスクリーニング機能を搭載し、多面的な比較分析が簡単な操作で行えます。

<テーマ別選択の内容例>
増収増益増配(実績)、増収増益増配(会社予想ベース)、3期連続赤字、3期連続無配、V字回復、最高益更新企業一覧、期初予想と実績のかい離が20%以上、低PBRで大型株、低PERでかつ増益など。
※日本経済新聞で頻出のランキングを参考に設定。時勢に応じてテーマを随時追加しています。

4.シミュレーション機能
DCF(割引キャッシュフロー)法による企業価値評価の簡易シミュレーション機能では、将来財務諸表の作成に必要な条件設定が簡単に行えます。将来事業計画のために用いる財務ドライバーの設定や資本コストの設定は、業績予想データ、過去の平均成長率、国債利回りやベータ値など、最新のマーケットデータを反映した数値も用意し、分析者の好みに応じた設定もできます。

5.多彩なレポート機能
開示資料や新聞・ニュースはPDFファイル、グラフ・数表はExcel・CSVファイルでダウンロードできます。またワンクリックで企業レポートを自動作成でき、資料作成時間を大幅に削減できます。
Excelアドインを使用すれば、サービス画面を経由せずデータを直接展開でき、さらに、ランキング、開示資料、関連チャートなどを組み合わせれば、情報価値の高いレポートがタイムリーに作成できます。
※情報の一部には第三者向けのレポートへの転載が認められないものがあます。

ステップ3 OB・OG訪問で聞くべき7つの質問

今回は「就職/転職ステップ」の第3ステップ「OB・OG訪問」について説明致します。
先輩たち(OB・OG)の歩んだ道や具体的・現実的な経験談あるいはアドバイスを得ることにより貴重な気づきややる気を起こさせてくれることが沢山あります。面接の練習を兼ねて是非トライしてみましょう。

なぜ先輩(OB・OG)訪問をするのか?
OB・OG訪問とは、一般的に言えば、学校やサークルなどのOB・OG名簿を活用して自分の志望企業、あるいは志望業界で働くOB・OGを訪ねることです。
先方のOB・OGにとってはボランティアとなる行為ですが、きちんと礼を尽くせば、毎年行なわれてきたことであり、引き受けてもらえる可能性は高いです。もし、志望企業に自分の大学のOB・OGがいなくても、大学にこだわる必要はないので、人事部に紹介してもらうという方法もあります。また、友人のお兄さんやお姉さんなど、周囲を見回せば意外と身近に話を聞けるOB・OGがいたりするものです。

OB・OG訪問には、今まで知ることのできなかった企業の「現場の情報」を入手できるという大きなメリットがあります。また、早い時期に何人かのOB・OGに会って話をすることは、社会人とつきあうことに慣れる絶好の機会でもあります。面識のない人と約束をとりつけて会って、話をするのは、学生にとって少し勇気のいることかも知れませんが、聞くべきところを聞き、自分の意志を明確に伝えるよう心掛けましょうう。
それが、面接の最も効果的な練習であり、ひいては社会に出てからの練習にもなるものであります。

心得その1 「質問を準備する」

OB・OG訪問では、訪問されるOB・OGの方も貴重な時間を割いている訳ですから、お互いに時間の無駄がないようにしましよう。その会社のパンフレットや、ホームページ、就職情報誌などに目を通しておくのは当たり前で、それらで確認できる情報については質問しないのが礼儀です。それらを調べても得られない情報の中で、知りたい情報を質問としてきちんと整理してから訪問するようにしましょう。可能ならば入社年度の異なる先輩たち数人に会うことをおすすめします。そのときは相手のキャリアによって質問を変えるのがポイントです。

例えば、入社1、2年目の人には現在の仕事、内定までの選考の流れ、入社してから分かったこと、感じたギャップなどを聞きくのがよいですが、4、5年目の人にはもう少し全体的な業務について、また入社10年目くらいの人には組織のあり方、企業理念といったレベルの話を聞くなど、相手によって質問の視点を変える必要があります。そこがポイントです。さらに、部署の違ういろいろなOB・OGに会えればベストです。部署ごとにやっている仕事内容も違うので、聞ける情報に幅が出てくるので会社の全体像を把握しやすくなり、自分がどのセクションに向いているかを知る手がかりにもなるはずです。その企業に好感をもったら、訪問の最後に次に誰に会えばよいかを聞いておくようにしましょう。

心得その2 「社風を感じとる」

OB・OG訪問を通じてその会社の社風を観察することも心がけましょう。質問に対して返ってくる答えそのものだけでなく、会っているOB・OGの態度もその会社を知る重要な手がかりとなるものです。そわそわしているとか、どっしり落ち着いた感じがするとか、目が輝いているとか、会ったOB・OGの様子に何かを感じることができるはずです。企業が一つの生き物だとすれば、OB・OG訪問で会う社員はその企業の一つの細胞でもあるわけです。もちろん、個人というフィルターを通してではありますが、会社全体の雰囲気を知ることができるのです。
つまり、OB・OGと会っていてリラックスできるか、聞きたいことを聞き、言いたいことが言えるか、ということも重要なポイントです。もしかしたら、そのOB・OGと一緒に仕事をすることになるかもしれないからです。単に答の中身だけでなく、そうした雰囲気によっても、その会社との相性は、ある程度推し測ることができます。

心得その3 「e-mailをうまく使う」

実際に企業に電話をかけてOB・OGに連絡をとるというのは、なかなか時間と神経をつかうものです。席をはずしていたり、来客中や電話中だったりすることもあります。こちらも折り返しかかってくる電話を待っていなければなりません。もしOB・OGのe-mailアドレスをなんらかの方法で入手できれば、それを活用するのも有効な方法です。

e-mailなら自分の自由な時間にメッセージを送ることができるし、相手も時間に余裕のできたときに読めばいいので、忙しい人であってもこちらもあまり気がねをしないですみます。もちろんメールマナーをきちんと守ることは必須ですが、文章で質問することで、かなり突っ込んだ質問もドライに尋ねることもできます。e-mailを利用した人のなかには、「OB・OG訪問ではお茶や食事の費用を支払って頂いたり、質問以外の面にも気をつかうが、そういうことがないので便利だし気分が楽」という人もいます。実際のOB・OG訪問の場合でも、話の最後にメールアドレスを教えてもらうことができれば、お礼のメールも出せるし、追加の質問に答えてもらえる機会も持てます。

ただし、追加の質問といっても、何度も繰り返しメールするというのはできるだけ避けましょう。OB・OG訪問の基本は、あくまでも訪問して会って話をすることです。e-mailだけに頼ったりするのではなく、その特性を活かして就職活動に利用するようにしましょう。

OB・OG訪問でこの7点は聞くようにしよう

OB・OG訪問で会社の理解を深めることは、それだけで企業にとって「志望度が高い」と映ることにもなります。「OB・OG訪問で何を質問すればよいのか?」分からない人に、目安となる質問を紹介したいと思います。

質問1:入社を決めた理由について

1点、注意して頂きたいのは、返答が曖昧だったり抽象的だったりした場合です。たとえば「社風に惹かれて入社しました」と答えてもらった場合、そこで「そうですか」で終わらせてしまってはいけません。必ず「社風とは、具体的には?」を引き出しましょう。
これはすべての質問に共通することですが、曖昧・抽象的な返答は、必ず具体的に理解できるまで掘り下げましょう。

質問2:学生時代の経験について

主には「学業」と「学業以外の大学の活動」と「プライベート」の3面で、たとえばサークル活動などでは、「何をしてきたか?」ではなくて「どんな事を考えて取り組んでこられたか?」など、出来事ベースではなく思考ベースの質問をするようにしましょう。この質問は、あくまでも「人となり」を教えてもらうことで、企業が求める人物像を見抜くためのものです。出来事ベースでは、その社員の方の「人となり」が見えてきません。

質問3: 仕事の難しさについて

仕事については、可能なかぎり細かく聞いておきましょう。なかでも特に把握して欲しいのが、仕事における「難しさ」ですが、単に「難しさ」を聞くだけでは不十分です。それを「どう乗り越えたのか」まで含めて聞いておきましょう。たとえば面接などで仕事の理解度を問われたとき「こうした困難があることも理解しております」とだけ答えるのと、「そうした困難に対しても、こうした強みを活かして、こうこう対処していきます」と具体的に答えることができるのとでは、説得力が段違いです。

質問4:仕事を通じて実現したいことについて

選考という視点からみた場合に大切なことは「自分が会社に貢献できること」「自分の価値観と会社の社風・理念がマッチしていること」です。そのためにも会社において「成し遂げたいことはなにか、夢はなにか」を聞いておくと、自分の将来の目指す方向性と合っているかをつかむことができるでしょう。

質問5:事業の今後の方向性について

なかなか聞き出せないかもしれませんが、業界の今後の展望などは、ある程度は教えてもらえると思います。「事業の今後」を知ることが難しければ、「業界の今後」を押さえておきましょう。また、合わせて、企業と他社の違い(差別化のポイント)も把握しておくと尚よいです。そこからも、どんな強み・適性を持った人材が求められているのか見えてきます。

質問6:入社前と入社後での違いについて

入社前と入社後で、会社の印象や仕事内容が違う、福利厚生が守られていないなど、様々な問題をはらんでいるケースがあります。この入社前と入社後で思っていたことが違うことが多いとミスマッチな会社だと思い、転職に至る人もかなりあるものです。このようなミスマッチが生じないようにするために最も適しているのがOB・OG訪問なのです。

質問7:待遇・福利厚生などについて

毎月の残業時間や有給消化の実態、また育児休暇や復職の実績など、待遇・福利厚生の面で聞きたいことが多い人もいるでしょう。しかし、説明会や面接の場では、採用担当者を正面にしているため、なかなか聞きにくいものです。だからこそ、気になることがあれば、必ずOB・OG訪問の場ですっきりさせておきましょう。OB・OG訪問は、選考の場ではありませんので、聞いても問題ありません(但し、次項の「注意点」を必ず参照ください)。

注意点:控えたがよい質問について

OB・OGだから、何でも答えてくれると思っている人もいるようですが、そういう訳ではありません。OB・OGでも答えられないことがあるので、無理に聞くことはしないようにしましょう。
特に質問7の給料や拘束時間、福利厚生など、就活生が特に気になる点ですが、デリケートな質問になるため、親しくなってくる最後の方に聞いてみるようにするのが得策です。また、OB・OGの人柄を観察して質問していいかどうかの判断をすべきでしょう。OB・OGに悪印象を与えてしまうと、今後の選考に響く可能性もあるので、OB・OGが答えたくなさそうであれば潔く控えるのが良策です。

就職/転職活動をする人がOB・OG訪問で聞くべき7つの質問をお話ししました。是非、準備と実践を通して、内定をゲットしてください。

中谷 彰宏氏の洞察力はとても参考になるなと思います。就職活動だけではなく、バイトやパート、初対面の営業先でも使えると思います。

エントリーしなければ希望の就職先/転職先はあなたを全く知りません。就職/転職への最初の出会いがこのエントリーです。魅力あるあなたを表現しましょう!!

ステップ4 魅力あるエントリー

なぜエントリーするのか?

就職/転職サイトにおけるエントリーの一番の目的は「応募の意思表示」です。企業はその志望者リストに名前のある求職者に対して採用活動を実施していきます。「とりあえずエントリーしておくか」という志望レベルの求職者を減らし、エントリーシートの内容を見て、会いたい求職者の目星をつけていきます。エントリーシートは提出するだけでなく、その内容がとても重要な意味を持つようになっています。エントリーをするまでは、企業採用担当者に自分の存在は全く知られていません。いわば、大勢の求職者の中の一人でしかないのです。志望企業に就職/転職するための最初の一歩は「ここに御社を志望している私がいます」と手をあげ主張することです。それが、エントリーの本当の意味なのです。

その1「Webサイトからのエントリー」

就職情報サイトにはたくさんの企業が情報を掲載しています。その点で個別 に企業のホームページを探していくよりも、企業情報を比較しやすいといったメリットがあります。そうした就職情報サイトに掲載された企業情報の中にはそこからエントリーができ、また説明会への参加申し込みができるようになっています。いろいろな企業の情報が欲しいという人は、就職情報サイトから検索していくと有効です。ある程度志望が明確ならば、多くの企業が自社のホームページで採用関連の情報提供をしているので、企業独自のホームページから、エントリーしていくこともできます。

その2「エントリーシート」

エントリーシートは、求職者の入社意志を確認するために提出を求められる場合と、一つの選考要素にされる場合があります。エントリー時に求められなくても、説明会などの後で、記入を求められるケースもあります。いずれにせよ、存在を印象づけるための大切な自己表現の場なので、心して取り組むようにしましょう。

また、エントリーシートはその後の面接での参考資料となるので、何を書いたか覚えていないということのないように、可能であればコピーをとっておき、またセミナーの直後に記入提出で、コピーがとれない場合は、要点をノートなどに写しておくようにしましょう。記入する内容は、住所、氏名、大学名はもちろん、長所、志望動機、その企業で何をやりたいかなど、PRポイントを文字だけで伝えなければなりません。

大事なことは、まず何を問われているかをおさえることです。例えば、志望動機が問われているのに、自己PRに力点がおかれたりするケースが多々あります。相手の質問をきちんと受け止めて回答することが大事なポイントです。事前に業界、企業の研究をして、自分がどう働きたいか、自分を採用することが企業にどんなメリットをもたらすのかなど、よく考えてから記入することが重要です。

エントリーシートへの備えについて

以下は筆者のキャリア教育や就職指導の講話の一端です。

1.エントリーシート作成の重要性

1)エントリーシート作成は絶好のチャンス
就職/転職に際して必要となる提出書類には、エントリーシートや履歴書、業務経歴書などいろいろあります。これを「書かされる」、「書かないといけない」というように受動的ないしマイナス思考で受け止めてはいけません。先ず第一に、これらの提出書類に対して、これは自分を知ってもらい、自分の気持ちや思いを主張する絶好の機会でそのプレゼンテーションの貴重なツールだという能動的ないしプラス思考で捉えることがスタートになります。

2)エントリーシートは自分のカタログ
そういう気持ちをもった上で、次に意識すべきことはエントリーシートや履歴書などを自分の「カタログ/パンフレット」と捉えるこです。クルマにしろ、ステレオにしろ、何かを“買おう”とするとき、だれもが類似商品を比較、検討します。カタログで基本性能や価格を調べ、実際に商品に触れて、より良いものを選んでいます。
人を「商品」に例えると、就職/転職活動の場合求職者は「商品」に該当します。「買い手市場」の場合は特に企業の人事担当者は慎重に購入商品を吟味することになります。「自分のカタログは自分で書く」そういうスタンスで提出書類に取り組むことが重要です。

3)相手を思い浮べながら書く
カタログを書く上で大切なのは、それを読んでもらう相手を思い浮べながら書くことです。どこでも通用するカタログは余程の卓越したものがない限り難しと思います。先ず自分がどの業界のどの企業でどのような仕事に就きたいのかということを真剣に考えてみる必要があります。それは就職/転職活動に際して目標をもつということであり、目標をもつことが大変重要なのです。

そうはいっても、肩に力がはいり過ぎては何事もうまくいかないこともありますので、素直に「自分の好きなこと」を問い直して、「無理だろうな」と思える場合でも直ぐにあきらめるのではなく、どれ程チャレンジすればかなえられるかを冷静に考え、そのチャレンジレベルが目標ということになるのです。目標さえしっかりもっていれば自然と道は開けるものです。
あなたにしか出来ない就職/転職活動を行い、あなたにしか出来ない人生を歩んでもらいたいと思います。

2.エントリーシート記述上の要点

① 文章の組み立て方:具体例を、起承転結で
② 文章力も評価対象:誤字脱字なく、主語述語を明確に
③ 文字を上手に見せるコツ:一字一字丁寧に

3.エントリーシートの出題例

① 自己分析/自己PR(強み;長所・得意・特技などを)
② 志望動機(志望企業毎に関心・共鳴、貢献点を)
③ これまでの成果(注力事項; 勤務歴,学生時代等で)
④ 就きたい仕事(就職後やりたい仕事/希望の職種)
⑤ 職業選択の基準(職業選択で最も重視すること)
⑥ 関心ある事柄
⑦ 自分の性格
⑧ 人生観
⑨ 職業観
⑩ 将来の夢(5年、10年後の自分は・・・)

4.エントリーシートの面接に対応したまとめ方

上記3の自己PR、志望動機などをエントリーシートにまとめる際の留意点としては;
先ずは各々A4一枚位の文量(1500~2000字)で具体的な事例(エピソード)まで含んだ整理をしておくとが重要です。その具体的な内容をベースにして、実際のエントリシートの記入欄(文字量)にマッチするように集約して記入することになると思いますが、これはエントリーシートに記載するためだけではなく、面接に対応するためでもあります。
被面接者が1人だけの場合は、先ず本人から自己PRや志望動機を各々大体5分位の時間で説明するのが一般的です。この5分位の説明に相当するのがA4一枚位の文量になります。ところが最近は集団面接(被面接者が複数人の面接)が増えてきてだんだん被面接者1人の持ち時間は少なくなりつつあります。また誰かが長く時間をとったりすると、その後の人は「少し短めにご説明願います」と言われることもあります。その時、頭の中に5分の文量の説明内容しか用意していないと混乱して、話ができなくなるケースも起きています。

そこで、「5分で説明してください」、「3分で・・」、「1分で・・」に対応したエントリーシートのまとめ方をしておくと面接にも余裕をもって臨むことが出来ます。柔軟に対応できるように備えておきましょう。

ステップ5 選考試験/面接

― 練習してきたことを存分に試合で発揮する気持ちで臨もう ―

就職/転職活動の最終ステップであり、ここで採用/不採用が決まります。
スポーツでいえば「試合」(勝負)の場であり、すべてのアーチストは日ごろ練習を重ねてきたものをこの「試合」にかけて臨みます。 就職/転職活動の「試合(勝負)」の場なのです。

●選考試験とは

大学入試などには何点以上とれば合格ラインというのがあるが、企業の選考試験にはそれがない。大学は勉強をする場であり、その大学の勉強のレベルについていける力(点数)があれば合格できるが、企業は仕事をする場であり、一緒に仕事をやっていける人物を選ぶのであって、それは何点という明確な数字では表せない。だから企業は筆記試験や、面接などいろいろな選考試験を通して、一緒に仕事をやっていける人物かどうかを判断していくのである。
一方で選考試験は、その企業はどんな仕事をやっていこうとしているのか、企業の内容をチェックしながら自分の意思確認の課程でもある。企業側と学生ないし就職希望者がお互いの気持ちを確認し合う作業で、それが選考試験なのである。選考試験には主に筆記試験と面接の2種類があり、それぞれの役割と傾向を見ていく。

1.筆記試験の意味

筆記試験で高得点をとったからといって確実に入社できるというものではないが、だからといって、筆記試験をおろそかにするのはよくない。最近では、学生がインターネットから簡単にエントリーできるので、各企業ともエントリーする人が増えており、初期段階で実際に説明会に呼べる人数まで削減する手段として、筆記試験での選考を設定している企業もある。筆記試験で一定の基準をクリアしていなければ、次の段階に進めないということになるので準備は怠らないようにしよう。 筆記試験を実施すれば、その学生がある一定以上の水準の能力を持っているかどうかを見極めることができ、同時に努力をすれば、直接結果 (得点)に結びつくのも筆記試験である。
努力してできることをやってきたかどうか、またやれる人間かどうかを見極めること、それも筆記試験実施の目的である。社会人として新しい課題に対して、努力できる人間かどうか、ビジネスマンとして必要な資質を見抜く選考試験であり、心して取り組むようにしよう。

2.筆記試験の傾向と対策

大量採用が減った最近は、早い段階から筆記試験を行い、人数を絞り込む企業も増えている。ヤマをはったり、一夜漬けでなんとかなるほど、就職の筆記試験は甘くはないので、早めに準備するようにしよう。筆記試験の種類としては、大きく「一般常識」、「時事問題」、「論作文」と「適性検査」の4つがある

◎一般常識

これは、一般常識テスト対策の問題集が数多く市販されているのでそれを利用するとよい。一冊きちんとやっておけば、自分の得手、不得手もわかり、簡単な問題はケアレスミスに注意し、難しい問題はすぐにあきらめないで頑張ることも重要である。

◎時事問題

時事問題の対策は、まず新聞を読み、大きな事件やトピックス、政治経済の動きなどをこまめにチェックしよう。また、業界常識問題の対策として、自分の志望する業界や企業の関連記事にも注意するとともに、資料請求して送られてきたパンフレット類には必ず目を通しておくようにしよう。

◎論作文問題

これは、実際に書いてみるのが一番であるが、注意すべき点がいくつかある。誤字脱字はないか、文字は読みにくくないか、言葉の重複はないか、一般的な言葉づかいができているか、文章がわかりやすいか、さらに、文章の起承転結に無理はないか、自分の考えが見えてこない単なる評論家気取りの文章になっていないか、といったことにも気を配ることが大事である。テーマと制限時間を決めて、できあがったものに対して友人同士で意見を交わすなど、練習を重ねておくようにしよう。

◎適性検査

就職活動の中でよく話題にのぼる「SPIテスト」はこの適性検査の一つで、 一般に適性検査で出題される「能力検査」の出題レベルは中学卒業レベルで、問題としては簡単なはずなのだが、問題に慣れていないと解くのに時間がかかる。対策本を買うなどして問題に慣れておくことと、時間配分を身につけておくことが大事である。「性格検査」は対策本もないわけではないが、練習したり、自分を装ったりすると、かえって悲惨な結果を産むことにもなりかねないので、素直に答えるのがベストである。

方法論その2-1 「面接の意味」

面接は文字どおり面(顔)を接して行う試験であり、質問に対する答えから、その人の考え方や人となりを判断しようとするものである。したがって、面接では普段の魅力や生き方を自然に表現するのが一番である。それでも面接で落ちるのなら、その会社とは縁がなかったのだと思うくらいの気持ちで臨んだ方が、リラックスでき、過度に緊張することもなくなる。
また、面接は企業が一方的に行うものではないことを肝に銘じておくようにしよう。確かに質問や流れは企業が主体で進むが、その流れの中で企業の魅力を感じたり、不明な点は質問してみるなど、企業を判断する場でもある。お互いの気持ちを確認しあう面接だからこそ、普段の状態で臨む必要がある。

方法論その2-2 「面接の傾向と対策」

普段の状態で臨めばいいからといって、何も努力しなくてよいというわけではない。最低限のマナーや敬語はきちんと心得ておかなければならない。初対面の人と会って話をするのは緊張すると言う人も多いかもしれないが、緊張する場面であっても他者と自然な会話ができなければビジネスの世界でやっていけない。誰でも多かれ少なかれ緊張するものであるから、自分を素直に表現するように心掛けよう。

事前に面接の練習することは大事ですが、練習してきた言葉や用意した言葉にとらわれ過ぎて身構えている態度は不自然であり、用意していたものと違う方向に行くとさらに緊張したりすることにもなりかねない。面接で素直な自分を出せるようになる近道は、とにかく多くの人に会って話をすることである。親や兄弟、友人と仕事に対する考え方などを話しているうちに、自分のしたいことや向いている方向もはっきりしてくるものである。ある程度方向が定まってきたら、OB・OG訪問や面接の積み重ねで経験を増やしていくのが最も効果的である。

●面接は第一印象で決まる。マナーに気をつけましょう

面接では、自己PRや志望動機などを明確に話せることはもちろん大事ですが、その前に心しておいてもらいたいのが「基本的な面接マナー」です。採用担当者を対象としたアンケートの結果、入室から本題に入るまでの基本的な面接マナーの部分が、応募者の第一印象を左右しています。知らず知らずの振る舞いがマイナス印象を招いているかもしれません。今一度、「NGな面接でのマナー違反」を確認しましょう。

企業の採用担当者に「応募者の第一印象」で重視する要素を聞いたところ、最も多かったのが「態度・仕草」と「話し方」(各20%)。そのほかにも、「表情」(18%)「あいさつ」「身だしなみ」など、マナーにまつわるポイントを挙げる声が多くありました。
新人のころなら大目に見てもらえた服装や言葉遣いの乱れなども、転職面接ではより厳しくチェックされてしまうようです。面接の受け答え、といったテクニックを身に付ける前に、まずはこれらのマナー違反を改めましょう。

では、実際に面接で第一印象を損なってしまった「マナー違反的な振る舞い」とは何なのか? いくつかの企業の採用担当者に実際にヒアリングしたナマの声を集めてみました。

1. 遅刻する・到着が早過ぎ

・遅刻は論外。約束の時間を守ることは社会人として最低限のマナーです(男性30代の採用担当者、以下略)
・開始時刻を過ぎること10分、電車遅延のためほうほうの体で到着した人がいました。交通機関などの影響でやむを得ず遅れる場合は一報を(女性40代)
・時間よりずいぶん早く受付に来た人がいて、面接の準備をしながら対応しなくてはいけなかった。やる気は本番で見せましょう(男性30代)

2. あいさつができない・声が小さい

・あいさつの時、顔がこちらを向いていなかったり、声が小さいと、そもそものやる気を疑ってしまいます。面接全体の流れに影響することもあるので、ハキハキと明るい表情で臨んでほしいですね(男性30代)
・入室や着席の声掛けはしますが、すべてのアクションを指示待ちするのはどうかと……。あいさつは自分から元気良く(男性30代)
・対面時のあいさつはほとんどの人ができるのですが、帰り際のあいさつを忘れている人が意外と多い。最後まで気を抜かずに(男性60代)

3. 臭いを発している

・テーブルを挟んで対面した際ニンニクの強いにおいが……。お昼は中華だったのかな、などといらぬ推測をしてしまいました(男性40代)
・香水は付けてもいいと思いますが、あまりきつい香りはNG。快・不快は個人の感覚なので難しいですが、量や香りについて一考を(女性40代)

4. 服装がルーズ・清潔感がない

・サービス業なので見た目に清潔感がない人はちょっと……。今まで面接をしてきた経験上、約3割は一目で不採用でした(男性50代)
・寝グセがついたままの人がいました。面接中ずっと気になってしまいました(男性40代)
・おしゃれなシワ加工に見えなくもないけれど、それがただのシワのよったシャツだと確信したのは、袖口にシミが付いていたから。受け答えは好印象だったので余計に残念でした(女性30代)
・靴が汚れていたり、壊れていたり、履き方が悪かったりすると、日ごろの振る舞いも乱雑なのかなと思ってしまいます。足元もおろそかにしないでほしい(男性40代)

5. なんか挙動不審

・斜に構えて目線を合わせない人がいました(男性60代)
・目がうつろだったり、必要以上におどおどしたり。緊張するのは分かりますが、人と話す時の最低限の「仕草のエチケット」には注意してほしいですね(男性50代)
・貧乏揺すりや、顔や髪をずっと触っている人。やはり印象が良いとは言えません(男性40代)
・笑顔が全くないと不安になります(女性40代)

6. 言葉遣いが粗い・話し方にクセがある

・友達と話すようななれなれしい話し方をする人がいました。接客スタッフの募集だったので、立場や状況に合った正しい敬語、丁寧語を話せないと厳しいですね(女性30代)
・敬語を使っていてもぎこちなく、その人の普段の言葉でないと感じました(男性50代)
・“○○でぇー”“○○ましたぁー”と語尾を伸ばして話す人。気になって、話の内容が入ってきませんでした(女性40代)

7. 人の話を聞かない

・こちらの質問が終わる前に、食い気味で答えてくる人は「ホントに話聞いてるの?」って思います。それだけならまだしも、質問を遮ってくるなんて人も……(女性40代)
・人の話を聞いていないのか、質問した内容とまるで違う答えが返ってくる。コミュニケーションの基本は、まず相手の話をしっかり聞くことです(男性30代)
・紋切り型の返答をされると話が広がりません。人間関係、コミュニケーション力の欠如を感じます(男性50代)

●面接の基本マナーを押さえて面接突破

① 「相手に届く」あいさつで

あいさつは互いの存在を確かめ合うサイン。コミュニケーションの基本です。自分ではできているつもりでも、相手に認識されなければそのあいさつはないも同然、「礼節を欠いている」と取られかねません。逆にあいさつ1つで、その後の流れがスムーズになることもあります。第一声は普段よりも大きな声で元気良く、相手のほうを向いて、はっきりと「相手に届く」アクションで面接の立ち上がりをきめましょう。笑顔を心掛ければ、口角が上がっておのずと発声も改善されるはずです。

② 身だしなみは相手への思いやり 「清潔感」「TPO」を意識して

身だしなみは人の第一印象を大きく左右すると言われています。面接ではパッと見た印象から、応募者がどんなタイプの人間なのか、普段の仕事ぶりなども推測されてしまいます。髪形、メイク、スーツの着こなし、靴、アクセサリーなどのポイントがありますが、基本は「清潔感があるか」「その業界のビジネスシーンに合っているか」。外見はあなたが思っている以上に見られています。迷った時は、自分のために時間を割いてくれる採用担当者に対して「失礼がないか」の観点で、改めて鏡の前でチェックを行いましょう。

③ 表情や仕草も「装い」です 「目を見て」「笑顔」で高印象に

面接が始まると表情がこわばり、声が上ずる、視線が定まらないなど非常事態に陥ってしまう応募者は少なくありません。初対面の相手を前に誰でも少なからず緊張するものです。採用担当者はそうした状況を想定していますが、コミュニケーションが取れない程となると印象にもかかわります。
面接は「試される場」ですが、「人と人との対話の時間」でもあることをお忘れなく。受け答えは相手に視線を合わせ、笑顔を心掛けましょう。極度にあがってしまった場合は、緊張している旨を明かして気持ちをリセットしてもいいでしょう。

④ 「話し上手」は「聞き上手」 会話のキャッチボールをしよう

面接は会話のキャッチボールが大切です。志望動機が優れていても、会話が成立しないと「コミュニケーション力がない」と判断されてしまいます。相手の話は最後まで聞き、質問の内容に沿って答えることが基本です。面接マニュアルの回答例は参考にとどめ、話したいことの要点をまとめて自分の言葉で説明できるよう準備しておきましょう。また、人間性や相手への配慮が表れる言葉遣いは、普段から気を付けましょう。敬語に自信がない場合は、少なくとも「です」「ます」の丁寧語で、いつもよりゆっくり話すようにしましょう。

面接は第一印象で決まります。 マナーに気をつけ面接を突破し、希望の職をゲットしましょう。

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Dr. ベスト
Dr. ベスト
戦後の復興~高度成長~オイルショックに伴う大不況~バブル&バブル崩壊~全てを経験。(財)日本情報処理開発協会や大学を通してIT人材育成に従事。企業における人事・採用や、大学における就職指導、また人材紹介事業を通して就職/転職のスムーズな習得方法(コツ)を追究中。

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